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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第11回

田中圭は“そのまんま”系、高橋一生は“お膳立て”系…今どきイケメン役者が歌を歌うワケ

構成=白井月子

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 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 皆さんもお気づきだと思いますが、ここのところドラマを見ていて、“人気俳優が歌う”というパターンがものすごく目につくようになってきました。

 今クールのドラマでいうと、自身の主演ドラマ『TWO WEEKS』(フジテレビ系)で主題歌「Fight for your heart」を歌っている三浦春馬くん、2クール連続放送で話題になっている『あなたの番です』(日本テレビ系)での役名・手塚翔太名義で主題歌「会いたいよ」を歌っている田中圭くんなんかがそうですね。前のクールになりますが、『東京独身男子』(テレビ朝日系)でも高橋一生くんが主題歌を歌ってましたし、本人の主演ドラマではないけれど『パーフェクトワールド』(フジテレビ系、出演/松坂桃李)の主題歌は菅田将暉くん(最終回にゲスト出演)が歌っていました。

 もちろん、ジャニーズアイドル主演ドラマの主題歌をジャニーズのアイドルグループが担当するというのは今も昔もよくある話なんですけど、非ジャニーズの役者さんにも、今、そういう波が来ています。

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2019年9月4日にソニー・ミュージックレコーズより発売される「会いたいよ」(初回限定版)

勝新から松田優作まで、昔から役者は歌っていた

 最近このようなケースが急増したためか「なぜ最近、俳優が歌うようになったのか?」という内容のコラムを雑誌やWebニュースのあちこちで見かけるのですが、そもそも、“俳優が歌う”というのは、ずっと昔から続いてきたことなんですよね。

 パッと思いつくだけでも、勝新太郎さん、石原裕次郎さん、白竜さん、原田芳雄さん、そして松田優作さん…。中村雅俊さんなんかは、初主演ドラマ『われら青春!』(日本テレビ系、1974年)の挿入歌「ふれあい」が大ヒットしたあと、ずっとコンスタントに曲をリリースし続けて、デビュー45周年を迎えた今でも、コンサートは満席だっていうからすごいですよね。

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『勝新太郎 全曲集』(コロムビアミュージックエンタテインメント)

 ちょっと前でいうと、吉田栄作さん(「心の旅」など)、織田裕二さん(1991年に「歌えなかったラヴ・ソング」「Love Somebody」など)、江口洋介さん(「愛は愛で」「恋をした夜は」など)、反町隆史さん(「Forever」「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」)や藤木直人さんなんかもそうですね。
 
 ミュージシャンと俳優っていうのは、一方は“自己表現”、もう一方は“与えられた役にいかになりきるか”という、まったく逆方向のもののように思われることもあるんですが、長年芸能界で働いて彼らを身近なところで見てきたぼくからすると、本質的なところではほぼ同じだと感じますね。どちらも、自分の中にあるものを、役や音楽を介して表現していく、世に問うていく、という部分では同じなのだと。あと、役者もミュージシャンもどちらも、大成するにはやはり、人前に出たときのオーラ、“スター性”みたいなものがやはり必要なところも同じでしょう。

 だから逆に、ドラマや映画に出演していい演技をするミュージシャンが多いのも当然だなと思いますよ。長渕剛さん(ドラマ『家族ゲーム』『とんぼ』は奇跡の名作!)をはじめ、寺尾聰さん、大友康平さん、及川光博さん、峯田和伸くん、星野源くん、渡辺大知くん、竹原ピストルさん……みなさん演技も素晴らしい!

「主演で主題歌」の田中圭、「お膳立て」の高橋一生

 役者がミュージシャン活動するっていう場合には、いくつかのパターンがあって、昔からよくあるのは、ドラマの役柄そのままで歌うというパターン。最近だと、ドラマじゃないけど、「au」のCMで桐谷健太くんが“浦島太郎”として「海の声」を歌ったのもこのパターンに当てはまるかな。

 今でいうと、『あなたの番です』出演中の田中圭くんがの役名・手塚翔太名義で挿入歌を歌っているのがこのパターンですね。ドラマの第2章が始まったタイミングで主題歌がこの歌に変更され、誰が歌っているかまったく明かされてなかったんですよね。ほんと、このドラマはいろんな話題作りを仕掛けてくるな〜と感心します。このパターンだと、ドラマの話題性に乗っかって曲がヒットする可能性も高くなるし、マネジメントする側から見ても、万一大コケしても、あくまで“役”としての歌手デビューだから俳優本人のキャリアにキズがつかなくて済む……なんてメリットがあります(笑)。

 高橋一生くんの場合は、これまた昔からよくある“お膳立て”パターンに近いかな。このパターンはアイドル的人気のある若い俳優さんや女優さんに多いんだけど、ちょっと売れてきたところに、周囲の大人たちが「この子、歌もイケるんじゃない?」って、事務所やレコード会社が「有名音楽プロデューサーを用意しました」→「有名なアーティストに曲を提供してもらいましょ」→「詞はちょっと本人に書かせてみようか?」→「はいデビュー!」みたいな感じで、周りのお膳立てでどんどん進むパターン。ちょっと前になるけど、広末涼子ちゃんや新垣結衣ちゃんなんかはそんな感じだったんじゃないかな。

 高橋一生くんは、弟(「never young beach」の安部勇磨)もミュージシャンだし、もともと歌が上手いのは結構知られていたんですよね。2015年に『スタジオパークからこんにちは』(NHK総合)でTHE BOOMの「からたち野道」を歌った際に、「上手いし、声が色っぽすぎる!」とネットが騒然としてました(笑)。

 その後も、ドラマ『カルテット』(TBS系、2017年)の主題歌「おとなの掟」を主要出演者である松たか子さん、満島ひかりさん、松田龍平さんと共に歌ったり、CMで歌声で披露したりはしていたんですが……今回、エレファントカシマシの宮本浩次さんに曲を提供してもらい、満を持しての歌手デビューとなりましたね。

芸能吉之助/芸能マネージャー

芸能吉之助/芸能マネージャー

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

Twitter:@gei_kichinosuke

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